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CA貯蔵とは?機能やメリットを解説します

CA貯蔵とは?機能やメリットを解説します

野菜や果物など、青果の鮮度・品質を維持するために、保管や流通においてさまざまな技術が開発され、適用されています。

その中のひとつにCA貯蔵という貯蔵方法があります。

本記事では、野菜の果物の鮮度を維持する技術であるCA貯蔵について、機能やメリット・デメリットを交えながら解説していきます。

CA貯蔵とは

CA貯蔵(Controlled Atmosphere Storage)とは、温度を低くする通常の冷蔵機能に加えて、貯蔵庫内の大気の環境を「低酸素・高二酸化炭素」の状態に調整することで、保管する野菜や果物の呼吸を抑え、品質の低下を防ぐ貯蔵方法のことです。

通常の大気の構成
酸素20.95%・二酸化炭素0.03%(窒素78.08%・アルゴン0.93%・その他0.01%)

CA貯蔵内の大気の構成
酸素が2~10%・二酸化炭素2~10%

このように、CA貯蔵庫内の大気を「低酸素・高二酸化炭素」に制御しておくことで、普通冷蔵の2倍ほどの鮮度保持効果が期待できます。

また、似たような意味をもつ言葉として、MA貯蔵(Modified Atmosphere Storage)という言葉があります。

MA貯蔵は、これまでCA貯蔵の同義語として使われてきましたが、後に、青果物を包むプラスチックフィルムの保存貯蔵法をMA貯蔵と呼ぶようになりました。

MA貯蔵・MA包装についてはこちら

CA貯蔵の機能・メリット

CA貯蔵の機能・メリット

CA貯蔵には、冷蔵庫内を「低酸素・高二酸化炭素」の状態に保つことで野菜や果物の呼吸量を大幅に低下させる機能があります。

青果物の呼吸量が減ると、成熟作用のあるエチレンガスの発生や黄化作用をもたらすエチレンガスの発生が減るため、青果物の劣化を抑えることができます

このようなCA貯蔵の機能のおかげで、鮮度を維持できる期間が長くなり、冬の果物であるリンゴを夏の暑い時期にもスーパーなどで販売できるようになりました。

農業に携わる方が年間を通じて安定的に収入を得るには、CA技術の活用が欠かせません。

CA貯蔵のデメリット

CA貯蔵のデメリット

CA貯蔵は青果の鮮度・品質を維持する上で欠かすことのできない技術ですが、いくつかデメリットも考えられます。

CA貯蔵のデメリット
  • コストがかかる
  • 大気組成のコントロールが難しい
  • 多種類の貯蔵に適さない

コストがかかる

CA貯蔵施設は、温度・湿度・大気組成といった環境制御を高い精度でおこなうための設備であるため、建設費や運転費用が高くなりがちです。

施設の活用は大規模農業の下では費用対効果が得られやすい一方で、小規模農家の方にとっては大きな負担となってしまうことがほとんどでしょう。

日本の農業は、CA貯蔵が普及しているアメリカのように大規模農業が盛んではないため、CA貯蔵が進んでおらず、一般的には青果の収集を行う中間流通業者が取り入れている場合が多いようです。

大気組成のコントロールが難しい

貯蔵に最適な大気の濃度は、青果の品目や収穫したタイミングなどで異なるため、貯蔵したい青果物ごとに空気を調整しなければなりません。

そのため、CA貯蔵の技術に対する理解だけではなく、野菜・果物に対する詳しい知見も求められるのです。

大気組成のコントロール失敗の例
  • 酸素濃度が低すぎる→嫌気性細菌が増え悪臭が発生する
  • 二酸化炭素濃度が高すぎる→青果物の内部が褐変したり、柔らかくなる

多種類の貯蔵に適さない

青果は、その種類によって鮮度維持に適切な大気組成の条件が異なります。そのため、1つのCA貯蔵庫内における多品目の青果の貯蔵は難しいのです。

豊富な種類の青果を取り扱っている場合、品目ごとにCA貯蔵庫を設置、運転しなけらばならないため、かなりの投資が必要になります。

CA貯蔵が使われる食材の例

CA貯蔵が使われる食材の例

CA貯蔵が使われる食材としてリンゴが有名ですが、その他にもバナナ、トマト、マッシュルーム等が挙げられます。ここでは、それぞれの青果に適した酸素・二酸化炭素の濃度、温度、湿度、貯蔵の期間等をご紹介します。

品目酸素二酸化炭素温度湿度期間
リンゴ1〜3%1〜3%0〜3°C90%6〜9ヶ月
バナナ5〜10%5〜10%12〜14°C90%1ヶ月半
トマト3〜10%5〜10%7〜9°C95%5週間
ミカン10%0〜2%3°C90%6ヶ月
ジャガイモ3〜5%2〜3%3°C90%8〜10ヶ月
ハクサイ3%6〜9%0°C90%4〜5ヶ月

まとめ

この記事では、野菜の果物の鮮度を維持する技術であるCA貯蔵について、機能やメリット・デメリットを交えながら解説しました。

CA貯蔵の特徴まとめ
  • CA貯蔵は大気組成をコントロールすることで青果の鮮度・品質を維持する貯蔵方法
  • 建設費や運転費がかかるため、大規模管理じゃなければコスパは悪い
  • 多種類の青果の貯蔵には適さない(1つの貯蔵庫につき1種類まで)

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