現代のお菓子のパッケージは、InstagramなどのSNSでのいはゆる”映え”を意識したデザインや、目立つデザインを取り入れることで手に取ってもらう機会を増やそうとする傾向が見られています。

同様に人気キャラクターとコラボレーションしたパッケージを活用し、消費者に新しさを訴求することで購買意欲を高める、という手法を取る企業も多く存在しています。

そんななか、大正時代1924年からのロングセラー商品「ボンタンアメ」はどうでしょうか？

ほとんどパッケージデザインを変えることなく、今でも根強く愛され、買われ続けています。コンビニやスーパーで見かけたことがある方、あるいは食べたことがある方も多いのではないでしょうか？

そこで今回は、ロングセラー商品「ボンタンアメ」を足掛かりに、普遍的なデザインに関する興味深い考察をご紹介したいと思います。

「ボンタンアメ」とは

「ボンタンアメ」とは、大正13年製造・販売から現代まで、幅広い世代から愛されているロングセラーお菓子のことです。現在ではセイカ食品株式会社が製造・販売を行っています。

モチモチした食感と、甘さの奥にほんのりと香るボンタンの酸味と風味が特徴的で、キャンディー、ソフトキャンディー、キャラメルなど、ジャンルの垣根を超えた存在として地位を確立しています。

現代的なお菓子デザインの中でも生き残り続けるボンタンアメのパッケージ

「ボンタンアメ」のパッケージデザインは大正時代からあまり変化していないことでも有名で、デザインは現在まで3回ほどしかマイナーチェンジしなかったようです。

また、グッドデザイン・ロングライフ賞を受賞した経歴もあり、そのデザインの秀逸性は、多くの人々に評価されています。

グッドデザイン・ロングライフ賞とは、公益財団法人日本デザイン振興会が毎年主催している「デザインの優れた物事に対して贈られる賞」のうちの一つの部門のことです。

ロングライフデザイン賞においてはただ長い年月、必要十分な機能ということで製造販売されているのではなく、日常の生活に溶け込んでいて、それ自体が生活を形作る一つのものになっていること、なくなって欲しくない存在でありデザインであることがポイントになっている。

グッドデザイン・ロングライフデザイン賞ホームページ

ボンタンアメのデザインは「色面積比」？

ある研究によれば、ボンタンアメのパッケージを分解してみると、背景色（紺）の色面積とボンタンの色（黄）の色面積にはある一定の面積比率が存在していることがわかりました。

全体の面積を1.0 としたとき、背景色の紺色の色面積は0.4、ボンタンの色の色面積は0.3となりました。つまり、背景色が全体の4割、ボンタンの果実が3割、その他が約3割を占めていることがわかります。

そしてこれは、現存している最も古い1928 年から1957 年まで使われていたパッケージの面積、背景色の色面積、ボンタンの色の色面積比を数値化しても同様でした。

約100年にわたって「ボンタンアメ」のパッケージの色面積比は一定に保たれてきたということがわかります。

流行が目まぐるしく移ろうなか、ほぼ全ての規格において一定の色面積比を保ち、デザインを伝承してきたことが、ロングセラーとして「ボンタンアメ」のブランドを確立させたことにつながったのだと思います。

トレンドに合わせてデザインを変更し続けるような流行りの逆手を取ったマーケティングの成功例ともいうことができますね。

まとめ

今回は、「世代を超えて受け継がれる普遍性」を切り口にデザインを取り上げました。プロダクトデザインの寿命は、“モノ消費”に携わるすべての人にとって永遠の命題です。

第一包装資材株式会社は、これまで数多くのデザインを手掛けてまいりました。すぐれた商品の良さを、より多くの人に知ってもらうために。そして、より多くの消費者の手に取ってもらえるように――私たちはこれからもより良いデザインを追求していきます。

パッケージデザインの制作実績

パッケージデザインのことでお悩みやご依頼がありましたら、まずはお気軽に第一包装資材株式会社にお問い合わせください。詳しくお話を伺い、最適なアドバイスをいたします。

お電話でのお問い合わせ お問い合わせフォームはこちら